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「ホームズの世界」と「The Sherlock Holmes Journal」が届きました [ ┗研究書・パスティーシュ]

子供の頃に近くの図書館で読んだ子供向けのシャーロック・ホームズを読んで以来のホームズ好きです。(確か「バスカヴィル家の犬」だったような。)

その後、高校から大学生くらいに小林司さんと東山あかねさんが書かれた研究書を読み漁り、ホームジアンとしての活動を始めました。「シャーロック・ホームズ読本」という本に、

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シャーロッキアン用iPhone, iPadアプリ紹介1 正典編 [ ┗研究書・パスティーシュ]

シャーロック・ホームズ好きの私ですがiPhoneやiPadも大好きです。

そんな私がホームズ関係で入れているアプリを少しずつ紹介していこうと思います。

 

まずなんといっても、基本となるホームズ作品を押さえておく必要があります。

ホームズ作品は長編4作、短編56作があり、これらが長編4冊、短編集5冊にまとめられています。

「シャーロッキアナ」または「シャーロック・ホームズ学」というのは、この60の作品に書かれたことはすべて現実に起きたことであり、それをワトソン博士(またはホームズや第三者が書いているエピソードもあります)が書いているという前提に立って、学術研究のスタイルでシャーロック・ホームズを研究するというものです。コナン・ドイルは出版代理人で、ワトソン博士から原稿をもらって出版社につなげた代理人という位置づけです。(もちろんこうした原理主義的な立場からではなく、ドイルが著者でホームズは創作であるという立場からの研究もあります。念のため。)

この立場に立つと実はいろいろな謎や矛盾が見つかるので、それらをいかに正しく説明できるのかが研究者の腕の見せ所となります。例えば、ホームズの時代にはベーカー街は今よりも短くて221Bという番地は存在しなかった。では実際にホームズとワトソンが住んでいたのはどこなのか、とか、ホームズはオックスフォードとケンブリッジのどちらの大学に行っていたのか、といったことが研究テーマとなっています。

ということなので、オリジナルの60作品は聖書になぞらえ、「正典」と呼ばれ研究の最も重要なソースとなるのです。

日本での翻訳では、当時の版権の問題などで一部短編集や長編がなかったり、誌面の都合で短編集が6冊に分割されていたりすることもあり混乱する人もいるかと思いますが、英語のオリジナルは上記のとおり長編4冊、短編集5冊となっています。

刊行順では次のようになります。

「緋色の研究」”Study in Scarlet”(長編)

「四つの署名」”The Singn of Four"(長編)

「シャーロック・ホームズの冒険」”The Adventure of Sherlock Holmes”(短編集)

「シャーロック・ホームズの思い出」”The Memoirs of Sherlock Holmes”(短編集)

「バスカヴィル家の犬」”The Hound of Baskervilles”(長編)

「シャーロック・ホームズの帰還」”The Retrun of Sherlock Holmes"(短編集)

「最後の挨拶」”His Last Bow”(短編集)

「恐怖の谷」”The Valley of Fear"(長編)

「シャーロック・ホームズの事件簿」”The Casebook of Sherlock Holmes”(短編集)

 

海外でも版権の都合なのか、すべての物語を収録していないアプリもあります。闇雲にダウンロードしてしまうとあとで足りないことに気がついて別のアプリを購入しなければならなくなってしまいます。(私がそうでした。)

いろいろと探した結果、こちらのアプリは完全版ということで60編すべてが収録されています。

 

  Sherlock Holmes Complete Collection (all 9 volumes) 4.0(¥85)App
カテゴリ: ブック
販売元: LoudReader Inc - Jian Zhang(サイズ: 2.9 MB)
全てのバージョンの評価: 無し(0件の評価)

 

 

 

他にも60編すべてが揃ったアプリはあるかと思いますが、くれぐれも買う前に確認していただければと思います。


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e-SHJ (The Sherlock Holmes Journal an electronic searchable facsimile) [ ┗研究書・パスティーシュ]

カナダのオンライン本屋さんに注文していた物がやっととどきました。

IMG_1118.jpg
(ちょっと暗かった・・・)


私も所属している(といってもロンドンを離れてから活動にはまったく参加できていないのですが)ロンドンシャーロック・ホームズ協会の会誌であるThe Sherlock Holmes Journalの1952年から2002年までを電子化して収めたCDです。


シャーロッキアン! [ ┗研究書・パスティーシュ]

シャーロッキアンというとてもストレートなタイトルですが、正直なところここまでシャーロッキアン度が高いとは期待していませんでした。

シャーロッキアン!(1) (アクションコミックス)

シャーロッキアン!(1) (アクションコミックス)

  • 作者: 池田 邦彦
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2011/02/28
  • メディア: コミック

どんな内容か皆目見当がつかないまま読み始めたのですが、基本的には主人公の女子大生・愛理と大学教授の車がふとしたことでシャーロッキアン同士であることを知り、シャーロック・ホームズのエピソードを下敷きにしたさまざまな人間関係が描かれ、所々シャーロッキアン的な知識がちりばめられていて・・・と、人情ものにシャーロッキアンフレーバーをまぶした感じで、とても楽しめました。

シャーロッキアン的な要素としては、例えばワトソン博士の軍医時代の古傷の場所や大空白時代の考察、切り裂きジャックなど、比較的オーソドックスなものが多く、定説に従っている記述もあるのですが、なかなか新鮮な解釈もあって、シャーロッキアーナとしても楽しめました。

さらに、謎解き的な要素だけではなく、現代に生きる主人公たちの心情にホームズやワトソンの心情が重ねられて、ほろりとさせられるのもいいです。なんだかホームズやワトソンの気持ちや人間味をよりリアルに感じさせてくれた気がします。

表紙を見た瞬間、モーニングで連載している「カレチ」という鉄道漫画に似てると思ったのですが、やはり作者が同じ方でした。シャーロッキアンというのもオタク的要素があるのですが、鉄道も古くからオタクをひきつける対象。共通するものがあるのでしょうね。私は残念ながら鉄道への興味はそれほどでもないのですが、シャーロッキアンの中にはてっちゃんも多いのかもしれません。

本書が一巻ということで、今後も続くようですので、期待したいと思います。


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シャーロック・ホームズは影にささやく [ ┗研究書・パスティーシュ]

ホームズとワトソンを主人公とした漫画です。

シャーロック・ホームズは影にささやく (朝日コミックス ファンタジーシリーズ)

シャーロック・ホームズは影にささやく (朝日コミックス ファンタジーシリーズ)

  • 作者: 安宅十也
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2010/12/07
  • メディア: 単行本

ホームズが主役といっても、原作からとってきているのは名前と時代だけで、オリジナルな作品となっています。

ホームズはワトソンに坊やと呼ばれる少年の設定で、そのワトソンは左目に眼帯をしたちょいわるなお兄さん風。レストレード警部にいたっては眼鏡の女性になっています。ちらっと出てくるハドソンさんも若い女性。

そしてホームズはシャドウという不思議な力の持ち主で、このシャドウを使って事件を解決していくことになるようです。シャドウというのは自分の影に傘をつきさすと発動して、遠くまでのびていって様子を見ることができたり、切り離すと不思議な力を持った実体になるというもの。(ジョジョのスタンドみたいなイメージでしょうか。)観察や推理も登場するのですが、犯人もシャドウを操る力があって、その力を犯罪に使っていたということで、最終的にはシャドウ同士の戦いとなっていきます。

第一巻では、若き女優の殺人事件が描かれて、最後に次の事件のプロローグがあります。第二巻は2012年発売というなんとものんびりした刊行スケジュールになっているようです。

ホームズのパスティッシュの一つではありますが、少しだけの設定を借りただけでほとんどオリジナルと言ってよいかと思います。ホームズものとして考えれば、ちょっと離れすぎと思いますが、純粋に別のものとして考えれば、下手なパロディなんかよりは、よっぽど楽しむことができたように感じます。

 


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シャーロック・ホームズの知恵 [ ┗研究書・パスティーシュ]

ホームジアンとして、ホームズ研究者を名乗りたいのですが、まだまだ駆け出し中。今のステージとしては、先人の研究を学んで、これまでの研究領域とその成果を把握する段階。

パロディやパスティシュを読む楽しみもあるのですが、まずは古今の研究書を集めて読むことが優先されます。

日本語の研究書も多くありますが、やはり歴史的価値からいっても、長沼弘毅さんの著書をはずすわけにはいきません。

長沼弘毅さんは大蔵官僚でありながらシャーロック・ホームズの研究家でもあった方で、日本のシャーロッキアンの草分けとも言える存在です。ホームズ研究書を9冊書かれていますが、なにぶん古い書籍のため入手が困難です。ヤフオクで少しずつ買い集め、やっと8冊まで揃えることができました。(ちなみにあと一冊は「シャーロック・ホームズの紫烟」Amazonでも出ているので近く購入予定。)

ということで、そろそろコンプリートできそうなので、出版順にきちんと読み始めようと思い手に取ったのが、第一作、「シャーロック・ホームズの知恵」

 

シャーロック・ホームズの知恵 (1961年)

シャーロック・ホームズの知恵 (1961年)

  • 作者: 長沼 弘毅
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 1961
  • メディア: -

 

昭和36年に出版された本です。なんと50年前の本。しかしながら、この時点でホームズ研究というのはかなり確立しており、主要なテーマもほぼ網羅されていたことが伺えました。

長沼さん曰く、本書の位置づけは、「これから本格的研究に入る前に、軽いウォーミング・アップをした程度のもの」(はじめに)だそうです。

ドイルの略歴を振り返りつつ、原典や先行研究を引き合いに ホームズやワトソンの人物に迫るための切り口を紹介しています。ホームズの大学、ホームズと女性、ベーカー街221Bの場所等々、さまざまなシャーロッキアンが挑んできた問題が簡潔に述べられます。あまり深く諸説に入り込んでいないのは、ウォーミング・アップ故でしょう。

従って、これまで別の書籍で既知の情報が多かったのですが、この本で知ったこともいくつかありました。一般的とされている説、例えば「ホームズのモデルはベル教授である」とか「ドイルにとって本文は歴史小説でホームズは余技である」とかに対して、ドイルの遺族が反論していたことなどは初めて知りました。また、世界的なシャーロッキアン団体である、アメリカのベーカー街イレギュラーズの成り立ちや会則なども、他の本で読んでいたのかもしれませんが、改めて知ることができて新鮮でした。

一つだけ、個人的に物足りないというか、立場が違うと思ったのが、ホームズ研究の立ち位置でした。ホームジアンのゲームのルールとして、ホームズは実在し、ドイルは出版エージェントにすぎない、という立場から論考するというのがあって、私はまさにこうした立場で研究を進めたいと思っているのですが、長沼さんはあくまでホームズをドイルの創作上の人物として扱っていることが本書から分かりました。この方が、ドイル側からの研究ができるという意味で視野の広い研究ができるのかもしれませんので、完全に個人の志向の問題かと思います。

もう一つ、ベーカー街221Bの位置については、その後多くの研究がありましたので、概論とは言え今の221Bにあったという仮定は大胆にすぎるなという印象を持ちました。

しかしながら、50年も前にこれだけのことが網羅されていたという事実は驚かされるとともに、今更ながらホームズ研究の奥深さを思い知らされました。しかもまだ「オードブル」の段階で、これだけのことが書かれているとすれば、残り8冊でどこまで深まるのか、楽しみでもあり恐ろしくもあります。


The Sherlock Holmes Reference Library [ ┗研究書・パスティーシュ]

最近こちらには書いていませんが、ホームジアン(シャーロッキアンのことです)としての活動も細々と続けています。

ホームズの研究をするときに、基本となる書籍があります。正典と呼ばれるホームズ作品全60編は基本中の基本。というかこれがないと始まりません。日本語版だと訳者によっても何種類もありますが、延原謙さんの訳(現代語に改訂されたバージョン)が代表格でしょうか。

シャーロック・ホームズ学への招待」という本で知ったホームズ研究3種の神器は、ベアリング=グールドの「注釈付きホームズ全集」、ジャック・トレーシー著の「シャーロック・ホームズ事典」、 ド・ワール編の「シャーロック・ホームズ大書誌」だそうです。(この中ではまだ「シャーロック・ホームズ事典」を持っていません。)この他にざっとあげても、オックスフォード版の註釈付きホームズ全集や日本のシャーロッキアンの先駆けである長沼弘毅氏の著作9冊(後2冊が揃いません)、個人的には「名探偵読本シャーロック・ホームズ」も欠かせないところです。 そして、註釈版としては、Leslie Klingerという人が註釈を付けた新註釈全集というのがあって、最新の研究成果を反映した註釈が満載で調べ物をするときにまず最初にあたっています。

それがこちら。

The New Annotated Sherlock Holmes 150th Anniversary: The Short Stories

The New Annotated Sherlock Holmes 150th Anniversary: The Short Stories

  • 作者: Arthur Conan, Sir Doyle
  • 出版社/メーカー: W W Norton & Co Inc
  • 発売日: 2004/11/30
  • メディア: ハードカバー
New Annotated Sherlock Holmes: The Novels: A Study In Scarlet / The Sign Of Four / The Hound Of The Baskervilles / The Valley Of Fear

New Annotated Sherlock Holmes: The Novels: A Study In Scarlet / The Sign Of Four / The Hound Of The Baskervilles / The Valley Of Fear

  • 作者: Arthur Conan, Sir Doyle
  • 出版社/メーカー: W W Norton & Co Inc
  • 発売日: 2005/11
  • メディア: ハードカバー

 電話帳三冊くらいのボリュームの本です。註釈の量もかなりのもの・・・と思って使っていましたが、実はこの3冊バージョンは簡易版で、より詳しい注釈本が存在するらしいということはうすうす知っていました。いつか手に入れようと思いつつ、この3冊があるからということで、後回しにしていました。

一昨年の暮れだったと思いますが、ホームズの経外典と呼ばれる正典60編以外にドイルが書いたホームズ作品に註釈を付けた本が出るとのニュースを知り、これは是非買いたいとの思いが募りましたが、アメリカのAmazonで購入するまでには至りませんでした。

というように、もやもやした状態だったのですが、みっちょんさんがこの詳細バージョン10巻セットの購入先を紹介されていたのを見て、反射的に注文してしまいました。

そして本日、アメリカから郵便小包でSherlock Holmes Reference Library全10巻が到着。

さっそく中をあけてみると、ペーパーバックではあるものの少し大判な作りの本が10冊。原作と同じ構成の4長編に5短編集、そして経外典が1巻です。

The Sherlock Holmes Reference Library: The Adventures of Sherlock Holmes

The Sherlock Holmes Reference Library: The Adventures of Sherlock Holmes

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Gasogene Books
  • 発売日: 1998/12/26
  • メディア: ペーパーバック

 

さっそく「緋色の研究」をぱらぱらめくってみたのですが、確かに註釈の量がすごい!ページによっては本文よりも註釈のボリュームの方が多いほど。巻末にはホームズ、ワトソン、ドイルの年表やテーマごとの主要論文集などもあって、かなり充実しています。

10巻だけあって、置くところが大変です。現在ホームズ関係で本棚の4段(うち3段は前後に本を置いている状態)をしめているのですが、そろそろもう一段増やさないといけなそう。大判の本の棚はこんな状態になっています。上に置いているのが今回届いた10冊。

 

DSCN5503.jpg

 

せっかく買ったし、いい機会なので正典を英語で最初から読んでみるのもいいかと思っています。


シャーロック・ホームズの決め手 [ ┗研究書・パスティーシュ]

ヤフオクで入手することができました。

シャーロック・ホームズの決め手―ガス燈に浮かぶ永遠の名探偵 (1980年)

シャーロック・ホームズの決め手―ガス燈に浮かぶ永遠の名探偵 (1980年)

  • 作者: 実吉 達郎
  • 出版社/メーカー: 青年書館
  • 発売日: 1980/11
  • メディア: -

 

私もメンバーである日本シャーロック・ホームズクラブ(JSHC)の大先輩メンバーでもある実吉先生の著作です。ちょっと前に購入していたのですが、先日行われたJSHCの春の全国大会で実吉先生にお会いできたことを機に、いっきに読み切ってしまいました。

実吉先生は、さすがに動物の専門だけあり、本書でもホームズ作品に登場する動物をメインに掘り下げています。ホームズ作品に登場する動物はたくさんいます。まだらの紐」の毒蛇や、「かたわ男」のマングース、「青いガーネット」のガチョウ、等々。

これらの動物について、実際はどのような生態で、作品中の描写とは違和感がある点など、極めて科学的に解説されていますので、とてもためになります。

 

実吉先生の本はもう一冊購入していますので、早めに読みたいと思っています。


ゴルファー シャーロック・ホームズの冒険 [ ┗研究書・パスティーシュ]

有名な諮問探偵であるシャーロック・ホームズはベーカー街の住人として有名ですが、実はゴルファーとしての別の顔もあった!

それを発掘したのが本書(という位置づけ)です。

ゴルファー シャーロック・ホームズの新冒険

ゴルファー シャーロック・ホームズの新冒険

  • 作者: ボブ ジョーンズ
  • 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
  • 発売日: 1991/11
  • メディア: 単行本

 

ホームズ作品(正典と呼ばれる作品群)で、ゴルフが登場するのは

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漱石と倫敦ミイラ殺人事件 [ ┗研究書・パスティーシュ]

夏目漱石が倫敦に留学していた時期は、ホームズが活躍していた時期と重なっています。さらに、漱石がシェークスピアのことを学んだ先生はベーカー街のすぐ隣の通りに住んでいました。

そんな背景から、漱石がホームズと出会っていたのでは、という想像を基にかかれた小説があってもいいのでは、と思いますが、それを小説にしたのがこちらの作品。

漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫)

漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫)

  • 作者: 島田 荘司
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/03/12
  • メディア: 文庫

 

この作品は、夏目漱石の一人称とワトスン博士の一人称とが交互に登場しながら事件が進んでいきます。

事件そのものもトリックが凝っていておもしろいのですが、それ以上に面白いのが漱石が見たホームズとワトスン博士が描くホームズとでまったく違っていること。

漱石の描くホームズは、原理主義的なホームズファンには受け入れられない面もあります。一方で、ワトスン博士の描くホームズは原典と同じホームズなのですが、この矛盾については、最後まで解消されないまま残ってしまうのが、私としては残念に思いました。漱石は倫敦でかなり鬱になっていたようなので、そのためにこうした表現になったのか、著者がホームズの実像がこうだと思っていたのか、最後に決着をつけてもらいたいと思いました。

トリックについては、途中で読めたような気がして、もう少し奇想天外さがあってもよかったかも。上述のどちらが本物のホームズかという謎が事件以上に注目すべき謎ですが、それが解消されないのが残念でした。読者に委ねるということなのか、漱石の描くホームズが正しいと言うことを受け入れるべきなのか。判然としません。

ストーリー自体は楽しめたのですが、実は、本編よりも、巻末に収められた島田さんがどうやって小説家になったのかという特別エッセイに興味を感じてしまいました。


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